2021/3/15 掲載
基本的に生活空間の中にあることが多いピアノ。
無意識にやってしまっていることがピアノに重大なダメージを与えたり、危険だったりすることがあります。実際にやられているケースが多く、確実にお伝えしておきたいものをご紹介します。
特に冬に部屋干しをすると一時的に湿度が上がり、乾くとガクッと下がります。ピアノは極端な湿度変化に弱く、部屋干しをされているお部屋のピアノは高確率で狂いが大きくなり、音が出ない、部品が緩むなどの故障も頻発します。生活上しょうがない場合もあるとは思いますが、ピアノへの影響が大きすぎるのでなんとか別のお部屋に干すなど対策をお願いしています。
空間除菌として売られているクレベリンの成分(二酸化塩素)は金属を錆びさせます。実際に近くに置かれてピアノの弦が錆びていたケースがありました。
クレベリンの除菌効果がどうなのか...については言及しませんが、とにかくピアノのある場所での使用はNGです。
鍵盤の素材はアルコールに弱く、使用するとヒビが入ったり割れてしまうことがあります。鍵盤の掃除には専用のクリーナを使用してください。弾く前に手をアルコール消毒した際も、しっかりと揮発させてから触ると安心です。
もとから内蔵されているピアノでも後付けのものでもどちらでも、スロウダウン付きのピアノの蓋を閉める際は手を離して自然に閉まるのをお待ちください。早く閉めようと無理矢理押さえつけるとスロウダウンが破損することがあり、実際お子さんが思いっきり閉めてしまいアームが折れたというケースがありました。
机のように下に避難できそうに感じますが、「頑丈で軽い」机に比べて「頑丈だけど重い」グランドピアノ。下に避難していてピアノが動き始めたら止められませんし、万が一揺れでピアノの脚が折れたりしたら大変危険です。
これらのことはピアノにとっても人にとっても危険が大きいため、すぐにでも止めたい習慣です。逆に、ピアノに良くないと思われているけど実はそうではないものもあります。
OK1.水拭き
塗装面(黒いツルツルしている部分)や鍵盤表面(ツルツルしているものに限り)は水を弾きますので、固く絞った柔らかい布で拭くのは全く問題ありません。
錆びやすい金属部分や、水が染み込み込む内部・鍵盤側面などの無塗装部分には入り込まないよう気をつけてください。
また、塗装面でもいつまでも濡れた状態ではじわじわと湿気てしまうので、長時間濡れた状態は良くありません。水拭きをしたあとはすぐに乾拭きをしてください。
OK2.加湿器を使う
「ピアノは湿気に弱い」というイメージから加湿器をつかってはいけないと思われている方も多いです。むしろ最近の冬は加湿器を使わないと過乾燥でダメージが大きいため、湿度が低ければ積極的に使わないといけなくなっています。
加湿器の選び方
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