ピアノ選びの第一歩
「ピアノを買いたい!」と思うとき。
ピアノを始めたい、使っているピアノが古くなった、より気に入ったピアノを見つけたい...など、理由は色々あると思います。
でも、いざ選ぼうとするとかなりの種類があって悩むのではないでしょうか?機能にほとんど違いがないのに、値段は結構違います。
それだけではなく、他にも考えることはたくさんあります。
その全てを一度に説明するのは難しいので、今回の記事ではまずはグレードに分けて整理するということをおすすめしています。
特に「ピアノを選びたいけど何から手を付けて良いかわからない」方
「メーカーは決まっているけど、どれにしようか迷っている」方におすすめです
グレードを把握するメリット
・そのピアノがメーカーの中でどんな立ち位置かわかる
・選択肢から外せるピアノが明確になる
・“求めていた用途と違うピアノを買ってしまう”失敗が防げる
購入した後の満足度が上がる
ピアノのグレードは4つに分けられます
ぜひ、4つのグレードがあることだけでも覚えて帰ってください!
例えばヤマハのアップライトピアノでは、
49万円〜のbシリーズが「エントリー」
81万円〜のYUシリーズが「スタンダード」
113万円〜のYUSシリーズが「ハイグレード」
302万円のSU7が「フラッグシップ」
と言う位置づけです。
メーカーによってはフラッグシップだけのラインナップだったり、エントリーモデルは無いけどセカンドブランドがその役割を担っていたりなど、いろいろです。
グレードごとの特徴
その名の通り、基準となるグレードです。
そのメーカーの考え方やピアノの雰囲気をわかりやすく感じることができるグレードだと思います。
価格と質のバランスが取れていますが、人によっては“理想の音にもう一歩届かない”もどかしさを感じるかもしれません。
趣味で弾く方、ピアノ教室、音楽スタジオなど幅広い用途で使えます。
スタンダードグレードを元にしつつ、より選び抜かれた素材が使われて、設計が凝っていたり、仕上げに手間がかかっているグレードです。
バランスが取れつつ質も満足と言うモデルが多く、予算が許せばこのグレードのピアノが一番おすすめです。
スタンダードのパワーアップ版と言うイメージです。
趣味で楽しむ用途〜場合によっては小規模な演奏会でも使えるおすすめのグレード。
価格を抑えることを重視したグレードです。
スタンダードを元にコストダウンと言うよりは、このグレードのための専用設計の物が多いです。価格重視で作られているため買いやすいですが、素材やつくりが簡易的だったり仕上げが甘かったり...そのメーカーの雰囲気が感じづらいのも事実です。
また、設計に無理があることも多く、狂いや故障が多く管理も難しいので、初心者向けのイメージに反して はじめてのピアノとしてはおすすめできません。
正直、価格に対してのコスパは悪いです。
すでにお気に入りのピアノをお持ちの方のセカンドピアノや、期間限定でピアノが必要な方におすすめです。
メーカーの技術力を結集したモデルで、コスパ度外視でつくられています。
工業製品としての頑丈さよりも楽器としての音やタッチ重視で作られているため、繊細で扱いが難しい傾向があります。また、手作業の部分も多いため個体差やクセが強めで、 そのピアノに惚れた人が覚悟を持って選ぶピアノかもしれません。
個性が強いので、ピアノ教室や練習スタジオなど一般性が求められる場所よりも、レコーディングスタジオ、ホールでの使用のほうが合っていると思います。
グレードを整理すると見えてくる
気になったメーカーのピアノをグレード分けしてみることで、だいたいの地図として俯瞰して見ることができます。
中古の場合も、見つけたピアノがどのグレードに属するかがわかれば選ぶための大きなヒントになると思います。
果てしないピアノの海では地図は絶対に必要!
まだ何も決まっていない方には、まずはヤマハの各グレードを弾いてみることをおすすめしています。バランス良くラインナップされているので、弾き比べてみると各グレードの立ち位置のニュアンスをつかみやすいからです。
ヤマハのラインナップは理にかなっていて、ピアノ選びの基準になります
弾いてみて気に入ったピアノが予算内だったらこんなに素晴らしいことはないですし、もし予算的に難しいときにはそこから次のステップを考えることができます。
正直、ピアノ選びは難しい
その理由のひとつが、買った後に、果たして正解だったのか?失敗だったのか?の判断がつきづらいと言うのがあります。家電のように機能に違いがあるわけではないので、「欲しい機能がバッチリ入ってて大正解!」とか「この機能いらなかったから下のモデルでも良かったな...」とか「あの機能は必要だったな〜」と言った判断ができません。
逆に言えば買った本人が満足するかどうかが全てです。音やタッチが気に入って、用途にマッチしたピアノは後々も満足度が高く、結果的に正解な買い物になると思います。そのためにも、グレードを把握してよりお気に入りの1台を見つけるヒントにして頂ければと思います。
おまけ
各グレードの見分け方
...ピアノの商品ページに、こんな文言があったら
「基本」「バランスの取れた」
「ハンマーの仕様:セミアンダーフェルト」など
→「スタンダード」の可能性が高いです。
「ワンランク上」「上位グレード」「フラッグシップと同様の素材」
「ハンマーの仕様:オールアンダーフェルト」など
→「ハイグレード」の可能性が高いです。
「ハイコストパフォーマンス」「初心者にもピッタリ」「価格を抑えながら」
「コンパクト」「電子ピアノからのステップアップに」「ハンマーの仕様:シングル」
「高さが110cm台のアップライトピアノ」「奥行きが140cm台のグランドピアノ」など
→「エントリー」の可能性が高いです。
「最高峰」「技術を結集した」「職人が1台1台」など
→「フラッグシップ」の可能性が高いです。
応用的な話
グレードはどのくくりで考えるかでも変わってきます。
例えばヤマハのグランドピアノの全ラインナップを、シリーズごとにグレード分けするとこうなりますが、
CXシリーズの中から選ぶ!と決めた状態でグレード分けするとこうなります。
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