ピアノの寿命はどのくらい?

2019/6/28 掲載
 
なんとなく一生つかえそうな気がするピアノ。寿命はどのように考えればいいのでしょうか?
 


最初の寿命
 
ピアノには2つの寿命を迎えるタイミングがあります。
 
「工業製品としての寿命」「楽器としての寿命」です。
 
まずはじめに訪れる工業製品としての寿命はヤマハ、カワイのピアノで約50年、それ以外のメーカーで約40年と考えます。
工業製品としての寿命を迎えたピアノというのは簡単に言えば
 
「部品や本体の劣化によりピーク時のパフォーマンスが発揮できなくなった」状態です。
 
木材、金属、フェルトなど様々な部品が古くなると劣化し、それによってピアノの音やタッチも劣化します。加えて、揃いづらく狂いやすい状態になってきます。
製造から30〜35年くらいをから段々とその傾向が出てきて、50年くらいではほとんどのピアノがそれを実感するくらいになります。
 
 
ヴィンテージ楽器
 
工業製品としての寿命を迎えたピアノは、いわゆる「ヴィンテージ楽器」と言う領域に入ります。
ピーク時の音の張りや揃い、安定性はなくなりますが、反対に枯れた良さがでてきます。
落ち着いた、若いピアノには無い魅力です。
ただ前述のとおり音やタッチが狂いやすくなり、今までよりも故障が多くなったり、メンテナンスの頻度を増やす必要も出てきます。
 
(エンジンが掛かりづらかったり、壊れやすかったり、でも好きで乗ると言う、趣味で所有するクラシックカーなんかに似ているなと思います。)
 
ヴィンテージ楽器になるといずれかの決断をすることとなります。
 
①ピアノを買い換える
②それまでどおり細かい箇所を直しながら使えるところまで使う
③オーバーホールで交換可能な部品の大半を交換する 
 
3つの選択肢
  
〈①ピアノを買い換える〉
一番シンプルな方法ですが、気に入ったピアノがすぐに見つかるとは限りませんので、長い目で探していく必要があります。
今まで使っていた古いピアノと新しいピアノでは、時代の違いもありガラッと音の傾向が変わっていることもあります。
 
〈②それまでどおり細かい箇所を直しながら使えるところまで使う〉
工業製品としての寿命が来たからと言って、急に使えなくなるわけではありません。
今までよりは多くの作業が必要になりますが、引き続きメンテナンスをしながら使われる方も多くいます。
どのくらいの予算をかけるかを慎重に考えていく必要があります。(多くの費用をかけるのがもったいないケースもあります
 
〈③オーバーホールで交換可能な部品の大半を交換する〉
劣化した部品も交換可能なもの(弦、ハンマー、フェルトなどの部品類)と交換不可のもの(響板やピン板、外装など本体)があり、オーバーホールで多くの部品を交換することにより、ピアノが若さを取り戻します。
ただしピアノを買い換えるのと同じくらいの予算が必要なことと、これまで重ねた年月が完全にリセットされるわけではないので慎重に選ぶ必要があります。
 
 
楽器としての寿命
 
 長い付き合いとなったピアノにも、引導を渡す時が来ます。
それを決めるのは所有されているご本人となります。
そのピアノの音が気に入らなくなった時、不揃いさに不満が出てきた時、メンテナンス費用と状態の釣り合いが取れなく感じてきた時...など。
それが楽器としての最終的な寿命です。
 
逆に言えば、工業製品としての寿命を迎える前でも気に入らなくなれば楽器としての寿命と言えますし、使われている方が気に入っているうちはどんなに音が悪くなろうと壊れていようと、楽器としての寿命は永遠とも言えます。
 
寿命を延ばすには
 
目安となる工業製品としての寿命の年数(ヤマハ、カワイで50年、その他で40年)はあくまで最大限メンテナンスをし、最適な環境に置かれていた場合です。
 
ピアノに負担をかけるほど工業製品としても楽器としても寿命は短くなっていきます。
そうならないためにも最適な環境と最適なメンテナンスを心がけていきましょう。
ご自分のピアノの老化に気づきづらいこともありますので、たまに楽器店などで新品のピアノに触れて比べてみるのも良いと思います。
 
 
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